縦2m×横5mの大作「Landscape#50 -岐阜楽市楽座図‐」が岐阜市の新市庁舎に設置されました。
この作品は昨年夏に岐阜信用金庫さま、ぎふしん記念財団さまからのご依頼で、新市庁舎開庁のお祝いの寄贈作品として、
岐阜市を洛中洛外図風に描いて欲しいというものでした。
作家を始めて20年程になりますが、私にとって過去最大の作品となり、構想から約9ヶ月に及ぶ作品制作はかなり追い込んだハードなものでしたが、昨年から世の中はコロナ禍となり、美術作家にとっても危機的状況だった中で頂いた有り難いご依頼でした。
この作品は、金の雲の合間から見える岐阜市の町並を描いており、画面中央に新市庁舎があります。
雲の形は、昔ながらの洛中洛外図のようなモクモクとした雲の形そのままではなく、以前制作した洛中洛外図のカクカクとして雲でもなく、新しい表現の雲にしたいと思い、現代的で、少しカワイイ円の構成で表現しようと思いつきました。
悩みに悩んでこの雲を思いついた時、完成した作品像が瞬時に頭の中に浮かび、この作品はいい作品になると確信しました。
次に町並の表現は、実際の主要な道路などを入れ、ある程度忠実に岐阜市の町並を描く必要があったので、いつものLandscapeシリーズの抽象的な表現と融合して描いていきました、これは私にとって今までに無い新たなチャレンジでした。
画面を横断する長良川、そして金華山に岐阜城、鵜飼、新市庁舎、岐阜信用金庫さん、駅前の広場や信長像、花火大会、いなば神社、円徳寺他、そして雲の間に見えている範囲だけは小学校、中学校、高校、大学なども校章を入れて描いています。
また、金華山の表現にもかなり悩んだのですが、調べると、金華山に生息するツブラジイという木が5月頃に
黄色い花をつける事が名前の由来にもなっていると知り、金箔と青い焼箔でツブラジイの色づく金華山を描きました。
そして、一番右のパネルは少し季節が進み、紅葉した山を描きました、長良川も鵜飼の辺りだけ夜の川になっていたり、
遊び心で何故か雲の隙間から見える満月も描いたりしています。
長くなりましたが、この作品が無事に完成した時は、今まで経験した事のなかった位の充実感や達成感がありました。
この「Landscape#50 -岐阜楽市楽座図‐」は私の現時点での最高傑作であります。
岐阜市民の皆様のお気に入りの待ち合わせ場所になったり、観光名所の一つになれたりしたら良いなと願っています。
隠れキャラ、新市庁舎に私と妻と息子の3人がいます。
隠れキャラの息子 琳太郎 笑
画面の中心に新市庁舎
雲の中にも岐阜市の市章
ロータリー
金華山と岐阜城と鵜飼
12日の除幕式
除幕式後に通常の状態に、市民交流スペース「ミンナト」
天気の良い日中は外から見えにくいですが、外が少し暗くなると見えます
13日の岐阜新聞に掲載されました。